中野吉之伴さんとの取り組み

「練習が終わって家に帰るときに、練習前よりサッカーが少しでも好きになって帰ってもらいたい」

元Jリーガーで僕の指導者仲間である浦本雅志さんとそんな風に話していたことがあります。とても素敵な表現ではないでしょうか？

サッカーってなんて楽しいんでしょう。サッカーってなんで楽しいでしょう？

サッカーはボールが一つ、ゴールが二つ、チームが二つあればできるとてもシンプルなスポーツです。ゲームの中で子供たちは沢山のことを学びます。そしてシンプルだけど奥が深い。いろんなことにチャレンジして、何回もミスをして、次はどうしようって策を練って、そうしてまたチャレンジをして。そうやって子供たちは成長していきます。

1人ではできないことも仲間と一緒ならできるようになる。それを体験できるのがサッカーにおいて何より大切なことです。支え合い、助け合い、繋がり合い、分かり合うことで生みだされる力を感じてほしいです。

熱意ある指導者や保護者は子供たちを少しでも成長させようとものすごい情熱を傾けます。そうすることでサッカーが楽しくて、サッカーを続けてくれると信じています。

でもそうした外的刺激が強くなりすぎるがために、子供たちの内的欲求が満たされなくて心が消耗してサッカーから離れていく子どもたちがとても多いという事実を忘れないでください。慌てないでください。大人サイドに確かなゆとりがあれば、子どもたちは子どもたちらしく成長していきます。

《上手くなるかどうか》《強くなるかどうか》《レベルが高いクラブでプレーするかどうか》の前に《サッカーを好きでい続けられるかどうか》《自立した大人になるための礎を築けるかどうか》が先に来なくてはいけない大切なことなんです。

サッカーはサッカーが好きな人なら誰でも、どこでも、だれとでもできるものであるべきなんです。だからこそ世界中でサッカーが愛されています。僕は生涯、サッカー”と”生きていける生き方を大事にしていきたいと思い、ドイツで暮らしています。

碧南FCファミリーの皆さん、子供たちと共に成長していきましょう。

中野　吉之伴

中野なかの 吉之伴きちのすけ
ドイツで育成指導者歴20年・サッカーライター

1977年生まれ。東京出身。高校からサッカーを始める。武蔵大学人文学部欧米文化学科ドイツ文化専攻卒業後、01年4月に育成指導者のエキスパートを目指して渡独。元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCほか、地元に密着したドイツサッカーの現場で様々なカテゴリー・年代の監督を歴任。

ドイツサッカー協会公認C級(UEFA-B級相当)、B級ライセンスを獲得後、09年にA級ライセンスを獲得。ブンデスリーガクラブのSCフライブルクU12、U15で研修。

ライターとしては現場経験を生かした論理的分析をベースに、ドイツサッカーを中心に様々な試合や選手に関する記事を手掛け、特に育成・グラスルーツサッカー、指導者論に関する記事を得意とする。

著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)
「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)
監修本に「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)がある。

「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」は2018年サッカー本大賞優秀作品賞を受賞。

オフシーズンには日本へ一時帰国し、全国を回りながら、子どもたち対象のサッカークリニックや保護者向け講演会、指導者講習会を精力的に行っており、ドイツからもWEB講習会、WEB対談を定期的に開催し、現地の生きた情報を日本へ届けている。

【指導者歴】
FC開三（東京都練馬区４種） コーチ、監督
FCヴォルフェンバイラー U13、U15監督、U15コーチ
フライブルガーFC U16、U18監督
FC アウゲン U19ヘッドコーチ、U15監督
SVホッホドルフ U8、U9、U10、U15コーチ、U19監督
フライブルガーFCU18、 U16、U13、U12監督、U19、U17コーチ、U8-U11統括スタッフ

【中野吉之伴さん自身の取り組み】
●中野吉之伴フッスバルラボ
https://www.targma.jp/kichi-maga/
●Facebook
https://www.facebook.com/nakanokichinosuke/
●Twitter
https://twitter.com/kichi_maga
●Youtube
なかのきちのすけフッスバルラボ・チャンネル